旅する人々 ー日本をちょこちょことー

自分たちの旅の様子や海外からの友人たちの旅を紹介しています。

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

白山平泉寺

永平寺を去り、白山平泉寺へ向かったのは昼のことである。 雲が鼠色に立ちこめている。 白山平泉寺は永平寺よりも内陸にある。白山は日本三霊山のひとつで、古代から信仰を集めてきた。ちなみにほかの二山は富士山と立山である。白山の美しさについては以前…

永平寺と道元のこと

加賀の温泉郷を出て、車で白山神社(神仏分離以前は平泉寺といった)に向かった。 実際には白山神社に向かう前に、永平寺に寄っている。 今回の旅のテーマは禅寺を巡ることであり、永平寺に行くことは念願の一つだった。が、わたしは永平寺について書くこと…

夢幻の国

毎年八月のお盆前後、実家の横浜に帰省した際には、必ず長野に出かけることにしている。 長野は両親の故郷であるということもあるが、上海の真夏のうだるような暑さの中で生活していると、長野の山上の涼やかで清浄な風はこの世でもっとも貴重なもののような…

越前和紙の貢献

二日目の朝も雨が降っていた。 この日も永平寺への参拝は見送り、越前市の武生という町に向かった。 このあたりは越前和紙の産地である。 わが国を代表する和紙の産地として、今も60軒あまりの和紙業者が技を伝える越前和紙の里。全国で唯一の紙の神様「川上…

越前ガニの歴史

わたしは今、小松空港に向かう飛行機の中にいる。 機内で道元の経歴をおさらいしていると、あっという間に飛行機は降下を開始した。上海から石川県小松空港までは僅かに2時間で到着する。中国人のあいだで日本への旅行は大ブームだが、小松空港方面はあまり…

川端康成と道元

今年の夏のことであったが、一年振りに上海から横浜に一時帰省して、合間に鎌倉に出かけた。鎌倉駅付近の踏切の近くにある小さな古本屋で、眺めるともなしに眺めていた中に『鎌倉再見』という本を発見して買い求めた。その中に川端康成についての記事がある…

準鎌倉人

わたしの家系は両親とも長野で、父は商売、母は農民の家だった。戦後まもなく母方の祖父が東京に進出して商売を始め、やがて末の娘である母が今の父と結婚し横浜に居を構えた。そこで生まれたのがわたしなので、私は横浜の人間ということになる。わたしにと…

読書と時々、旅

はじめまして。 もともと横浜に住んでいました。 今は仕事の関係で中国に住んでいます。空気がよくないとか、米が美味しくないとか そういったつまらないことが、日本へ心を向かわせるということがあるようです。 仕事の合間に読んだ本のことや、ごくたまに…